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乳腺腫瘍の手術をする場合、大きく切り取る必要がありますか?

必ずしも大きな切除は必要ありません。当院での標準的な指標は以下の様になります。
【犬の場合】
直径1cm以下であれば局所切除、それより大きければ単一乳腺切除または領域切除を実施。
病理検査により、リンパ管への転移が確認されれば拡大手術を行う。
【猫の場合】
出来る限り片側乳腺全切除を実施。

※局所切除:腫瘍とその周囲の乳腺を最小限の範囲で切り取る手術。最も小さな切除。
※単一乳腺切除:腫瘍とその乳腺を一か所のみ切り取る手術。
※領域切除:腫瘍とその周囲の複数の乳腺を切り取る手術。
※片側乳腺全切除:片側の乳腺を全て切り取る手術。胸から内股に及ぶ大きな切除。

犬の場合は、乳腺腫瘍の大きさは悪性度にはあまり関わりが無く、また単純に大きく切った方が治療効果が高いという事もありません。よって、まずは手術部位での再発が起こらないと考えられる最小限の範囲で切除し、病理検査の結果から転移や再発が懸念される場合は再手術を行い根治を目指す、という方法を推奨しています。

一方、猫の場合は多くが悪性であり、高確率で肺への転移を起こします。早期発見と早期切除が最重要であり、出来るだけ大きく切り取る片側乳腺全切除が適応となります。
しかしこの手術法でも根治には至らないこともあり、特に腫瘍の大きさが3cmを超える場合は厳しい結果となることが多いと言えます。

ただし、上記は絶対の決まりではありません。犬でも「再手術の可能性があるならば、初めから片側乳腺全切除をしたい」、猫でも「とりあえずこの腫瘍の痛みを取るために、最小限の手術をしたい」というお考えもあるでしょうし、その考えや選択が必ずしも不適切であるとも言えません。また、診察をした時点で既に転移が認められる場合は、そもそも手術の適応とならない、ということもあります。
どの様な手術を行うべきであるのかは状況により異なりますので、まずはご来院頂くのが望ましいでしょう。

なお、当院では手術部位の縫合に工夫を重ねた結果、術後の腫れを予防するためのドレーンという管を使用することはほぼなくなりました。これにより術後の傷の管理が大きく簡略化され、痛みや不快感の軽減が可能となったことで、入院期間も短く済むようになりました。
広範囲の切除でも、大抵の場合は2~3日以内にご帰宅頂くことが出来ます。

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